昨年の受験を振り返って ?大野所長と各担当講師の座談会 立教女学院小学校編

知力が求められるペーパー

大野:当教室から立教女学院を受験したのは十数人でしたが、9人も合格しました。非常に高い合格率でした。
後藤(立女クラス担当):立女が他の学校と違うのは、面接日を合わせると試験が3日間だということです。試験内容は、ペーパーテスト、巧緻性、体操、面接などです。ペーパー、巧緻性、体操の3つのバランスが大事ですが、最も比重が高いのはペーパーです。中学校の偏差値が2上がったそうです。その中学校を受験して入る生徒が130人ほどいます。小学校から上がる約70人が、中学校でもそん色なくやっていけるように、知力の高い子が求められています。そのためペーパーテストは基礎力を試される問題が多く出されるうえ、難度の高い問題も用意されています。従いまして、プリントについては、基礎力を定着させるために、きちんと復習して、確実に抑えておく必要があります。それに加え、巧緻性、体操も、指示を踏まえてできるよう、基礎力の定着に努めています。そのため巧緻性、体操のクラスとは密に連携しています。

速さより丁寧さ

神尾(巧緻性クラス担当):巧緻性については、毎年、出題傾向は似ています。エプロン結び、パズル、ビーズ通し、立体構成、ビンの蓋合わせ、缶の中身当て、積木などが、よく出されています。同じ課題でも、内容は過去とまったく同じではなく、少しずつ変化していますが、いままでの課題の種類は、ひと通りすべてを復習しておく必要があります。
また、立女の場合は正しい扱い方と丁寧さが特に重視されます。例えばハサミで紙を切る場合、速ければいいというわけではなく、時間がかかっても丁寧にしっかり切れたかどうかが大事です。ものをおはしでつまんで移す場合も、たくさん移せればいいのではなく、おはしを正しく持てているか、丁寧に扱えているかという点の方が重視されます。おはしやハサミを丁寧に扱え、ペーパーを解くときに鉛筆を正しく持てている子は、家庭でのしつけがしっかりしていると受け止められます。そのため、ご両親は日常から、子どもの目線でお子様をしっかりと見て、手をかけてしつけをする必要があります。
後藤:プリントも、巧緻性同様、速ければよいというわけではありません。短い時間で多くの問題が出されますが、全問終わって3問しかできなかったというよりも、3問しか解けなかったけれど3問ともできた方が、確実性が高いという意味でいいと思います。
ペーパーにも必要な親子の触れ合い
後藤:ペーパーが少なくなる学校が多い中、立女では練習問題を含めると12?3枚も出ます。話の記憶、数、言語、図形、常識など広範囲にわたる問題が出されますが、単純な問題ではありません。いかに親子で触れ合って、いろいろな経験をし、その中で子どもに知識を教えているか、またこれから生活していくうえで必要なことを教えているかを、ペーパーの中から知りたいという学校側の意図が伝わるような問題です。
そのため、日常生活で親子の触れ合いを大切にし、生活常識を身につけていただきたいです。そこでは、ただ「あれをして」「これをして」と指示をするのではなく、「○○ちゃん、おはしを3膳ご準備してね」というように、具体物を言葉に表し、具体的に指示するようにすれば、言葉も増えますし、対応も的確になります。去年は、お雑煮用の器を選ぶという、季節感の問題の中でも難しいものもありました。こんな問題が出されるように、親子で季節の行事を大切にする家庭を求める学校です。

体操はまんべんなく

本間(体操クラス担当):体操では、いろいろな課題が出ています。おととし、去年と連続してなわとびが出ました。その前は、縄跳び、平均台跳び、ボールをついた後マットで転がるなど、ジャングルゲームという形の課題が出ました。これまで、あらゆる課題を網羅しています。脚の力が必要ですが、より大事なのはまじめに取り組み、指示をしっかり聞く姿勢です。昨年は合格者の半数以上が、体操クラスをとられました。機敏性や跳躍力などが特に高かったわけではなく、まじめに取り組み、しっかりと練習していました。どの課題が出されるかわかりませんので、まんべんなく練習していただきたいです。

笑顔と行儀、姿勢

大野:後藤先生はご自身が立女出身で、お嬢さんも在学中ということで、この学校のことをよくご存じです。合格されたお子さんは、“勝ち抜いていく”という気持ちが表情に出るタイプではなく、ゆったりとして笑顔のある子たちでしたね。
後藤:その通りで、おっとりとしたかわいらしいお嬢さまたちが多いですね。
大野:ご両親が愛情かけて育てておられるのがわかり、面接ではそのあたりを見ているのではないか思います。
後藤:授業で、弱いポイントなどを指摘しますと、一生懸命復習し、取り組んでくださるお母様が多かったです。
大野:そのうえで、ゆったりと愛情を注がれているお母様ですね。そして女子校ですから、きちんと育っているということが大事です。お行儀ももちろん大切です。
後藤:学校説明会でも毎年必ず、教頭先生がお箸、鉛筆の持ち方を注意なさいますね。入学してからも、ぞうきんの絞り方など、生活する上で基本になることがチェックされます。できるのが当然という考え方なのですね。迷路のような問題でも、鉛筆の持ち方はチェックされています。
大野:さらに迷路では、最後まで行けるかではなく、線のかき方もチェックされているようですね。
後藤:そうです。線は丁寧にかかなければなりません。
大野:時間が短いのに、難度は高い問題です。でも、全部終えられなくてもかまいません。
後藤:取り組む姿勢や、回答の仕方を見ています。

知力・巧緻性・体操のバランス

大野:体操が重視される傾向にあります。最近は、泥遊びなど、遊びのできない子どもが増えているそうです。従って運動もできないので、体操を徐々に強化していっているようです。
後藤:知力だけでなく、巧緻性、体操を含めバランスのとれた子。それで競争ができないわけではありませんが、おっとりした子が合格されました。
大野:そうですね。強さをうちに秘め、笑顔の豊かな子が多いです。でも全体としては、おとなしい子は向いていない、勝ち気な子は向いていないなどということはなく、さまざまなタイプのお子さまが合格されています。
附属幼稚園の天使園から全員が進学できるようになり、門が狭くなったことは事実です。ですから、ペーパー、巧緻性、体操のいずれもできるようにしてほしいですね。