願書に有効な生活 日常編

 6月号に引き続き、今回はアピールできる日常の過ごし方についてお話しします。本年度合格した方の願書から、例を挙げてみます。
〇朝の身支度
―居間の目につきやすい場所にかごを置き、前日に着替え、靴下などを用意させる。(成蹊進学)―
毎朝、「早く早く」「何やってるの?」あげくの果てには「もう!」と手を出す。これでは、子どもの自立は望めません。「口を出し過ぎず、子どもの『気づく』姿勢を大切に」という方針からの一工夫です。
〇日記
―母親の実家に帰省した時、母親が幼い頃つけていた日記を見つけ、自らも日記をつけるようになった。(成蹊進学)―
成蹊小で伝統的に行われている日記指導に合致した、家庭での取り組みです。されに「母親の幼い頃の日記を見つけて」というきっかけは、親の押し付けではなく、「子どもは親の姿を見て育つ」よい例として好感が持てます。
〇発見カード
―日々、疑問に感じたことをカードに書き留めておき、後日図書館で調べる。(成蹊進学)―
成蹊小の「自学自習」の習慣をつけるという教育方針に合致した試みです。
空を見ることが大好きなおじょうさんが「雲って、フワフワしてやわらかそうだし、おいしそう。」と発見カードに書きました。後日、お父様と二人で図書館に行き、「雲とは何か」調べたのだそうです。感性も知的好奇心も育む習慣です。
〇祖父母宅での体験
―リンゴの実を収穫し、ジャムを作る。切り干し大根や干し柿を作る。(早実進学)―
おじいさまやおばあさまに教わって、収穫したものを調理して食す。大喜びの体験は、すばらしい「食育」となります。さらに核家族にあって、祖父母とのこういった関わりは貴重です。
〇ボランティア
―早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンターの自然保全活動に幼い頃より参加。自分で田植えした稲を手刈りして精米、食する体験も。(早実進学)―
お米一粒一粒を大事に思うことにつながり、毎日の米研ぎ、炊飯のお手伝いの中で生きたということです。
地域の清掃などのボランティアに家族で取り組むのもいいでしょう。世の中の役に立つ喜びを得ることができます。
〇お稽古に一人で行く
―バレエ教室に一人で通ってくる小学生を見てあこがれ、着いたら母親に電話をするという約束で、夢を実現させる。(早実進学)―
乗車券を買い、各駅停車の電車に乗り、目的の駅に着き、公衆電話をかけました。ところが、何度試みてもつながりません。そこで、駅員室で事情を説明して電話を借りました。お礼を言って駅を出て、無事バレエ教室に着いたのだそうです。
早実では、初日から一人で通学することになります。数年前の面接で、「もし国分寺駅に着いて、スイカをなくしたことに気づいたらどうしますか。」という質問がありました。問題処理能力のある自立した子どもを求める学校らしい面接です。
こういった体験は有効ですが、日ごろから様々なケースを想定して、練習しておかないと危険です。
〇ダンスの練習
―マイケル・ジャクソンにあこがれ、毎日自宅の鏡の前で、汗びっしょりになるまで踊る。学芸会で、他の子どもたちとダンスを披露。苦手な子には休み時間に教え、園で「子ども先生」に認定される。(慶應進学)―
「得意なもので一番になれるような子どもを育てたい。」という説明会でのお話に合致したエピソードです。サッカー、スイミング、工作、昆虫調べなどを得意とする子は多いですが、ダンスは初めてでした。ダンスなんてっと思わず、本当に子どもが得意なことを堂々と書けばいいのです。個性が光ります。

このように、学校の教育方針をよく理解した上で、願書で我が家らしさをアピールすること。それが合格につながるコツです。

大野啓子